時事

メジャー大会連勝でスピース時代到来 <6月22日のハイライト>

2002年以来のマスターズ、全米OP同一年制覇。松山英樹はスコア伸びず18位タイで終戦

成長著しい若者が偉業を成し遂げた。首位タイスタートのジョーダン・スピース(アメリカ)が並みいる強豪を振り切り、全米オープンを制した。4月のマスターズ制覇に続いてメジャー大会2連勝。同一年での両大会制覇は、2002年のタイガー・ウッズ(アメリカ)以来6人目。21歳での大会制覇は1923年のボビー・ジョーンズの21歳での大会制覇以来、最年少優勝となった。

首位に4人が並ぶ大混戦でスタートした最終日。やはりドラマはサンデーバックナインに潜んでいた。16番をバーディとして2位に3打差をつけたスピースだったが、続く17番では痛恨のダブルボギー。この時点で、18番をバーディとした前の組のルイ・ウーストヘイゼン(南アフリカ)と通算4アンダーで並んだ。迎えた18番パー5、スピースは2オンに成功し、イーグルパットを外すもバーディとして通算5アンダー。最終組の結果を待つことになった。

その最終組では、ダスティン・ジョンソン(アメリカ)が17番でバーディパットを沈めて通算4アンダーで最終ホールを迎える。先に上がっているスピースとは1打差。優勝、最低でも翌日の18ホールプレーオフ進出にはバーディ以上が必要となった。ジョンソンも2オンに成功して、4メートル弱のイーグルパットを残した。最低でもプレーオフにもつれると思われたが、そこからまさかの3パットでパーに終わり、またしてもジョンソンのメジャー初優勝が消え、スピースが逃げ切った。

日本勢でただ一人決勝ラウンドに残った松山英樹。首位と7打差からの上位進出を目指したが、前半からダブルボギーをたたくなど終始波に乗れず、終わってみればこの日イーブンパーで、通算3オーバー、18位タイで大会を終えた。

ウーストヘイゼン、ジョンソンがスピースに1打差の通算4アンダー、2位タイ。通算3アンダー、4位タイに松山と同組で回り、この日のベストスコア6アンダーをマークしたアダム・スコット(オーストラリア)、キャメロン・スミス(オーストラリア)、ブランデン・グレース(南アフリカ)の3人。通算2アンダーの単独7位にシャール・シュワルツエル(南アフリカ)。ローリー・マキロイ(北アイルランド)が最終日に追い上げを見せて、ジェイソン・デイ(オーストラリア)らと並んで通算イーブンパーの9位タイに食い込んだ。

初の西海岸北部での開催となった今大会。アップダウンの激しいリンクスコース。コース内に敷き詰められたフェスキュー草。多くの選手が苦戦する結果となったコースでの初開催に賛否両論あったが、来年はこれまで8度の開催を誇るオークモントカントリークラブに舞台を移すことになる。

■メジャー優勝はまたしてもおあずけ、松山英樹が見た世界トップとの差

6番のダブルボギーで松山英樹のメジャー制覇は遠のいた。1番をバーディ発進したが、その後はバーディ、ボギーを繰り返し、この日イーブンで迎えた6番。5番を3パットのボギーとしたのに続き、4パットのダブルボギー。そこからパッティングに苦しむことになった。正確なショットは健在で、その後は3バーディ、1ボギーにまとめたが、ときすでに遅し。スタート時点と同じ通算3オーバーで、メジャー2戦連続トップ10を逃した。同組で回ったアダム・スコットがこの日のベストスコアでのラウンドでリーダーズボードを駆け上がったのに対し、足踏みをした松山。メジャー制覇の野望は次戦の全英オープンに持ち越された。

「昨日からショットのいい感覚はつかめていました。アダムともそん色のないショットは打てていたと思います。パッティングですごく差を感じました。上位に来る選手、狙えるところでしっかりフィニッシュする選手と下位で終わる選手の差を感じました」

この悔しさを糧に、松山が成長スピードを速めることになる。

■記録ずくめのメジャー2連勝、J・スピースがまたも全米を沸かせた

マスターズを制覇した勢いそのままに、アメリカ期待の21歳がまたしてもファンを魅了した。首位タイスタートのジョーダン・スピースが、スコアを一つ伸ばして大会制覇。21歳でのメジャー2勝は、1922年にジーン・サラゼンが20歳で記録して以来の年少記録。タイガー・ウッズでさえも成し遂げていない偉大な記録だ。これで、来月の全英オープンと8月の全米プロに勝てば同一年でのグランドスラム達成。急速に進化を遂げる若きスターのサクセスストーリーは、まだまだ始まったばかりだ。

「最初の2大会を勝たないと4つすべてで勝つことはできない。来月のセントアンドリュースでの全英オープンでも勝ってクラレットジャグを手にしたいし、正しく準備すれば手が届くと思う」
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