時事

野球人だけにとっては唯一無二の孤高なるアイドル・稲村亜美のあまりに偏りすぎたニーズ

タレントの稲村亜美(25)が5月12日、自身のインスタグラムを更新し、上下白のゴルフウエアコーデを披露した……とのニュースがYahoo! のトップページにまぎれ込んでいた。

まだ新型コロナショックがちっとも冷めやらぬなか、おそらく大半の日本人にとっては、どーだっていい告知であろう。女性はもちろんのこと、少なからずの男性にとっても秒殺でスルーされがちな案件であるのに間違いはない。「いなむらあみ? 誰!?」ってヒトも、案外たくさん実在するのかもしれない。

しかし! 一部の男性、イコール「野球を心から愛する野球人」にとって、稲村亜美の一挙手一投足は、バッハIOC会長が気まぐれに発言する「東京五輪の動向」にも匹敵する、じつに貴重な情報だったりする。

稲村亜美──グラビア出身のタレントで、兄二人が野球をしていた影響で、稲村本人も小学1年生から野球を始め、中学生のときはシニアリーグに所属。トヨタ自動車のウェブCMで披露した、あまりに美しすぎるバッティングフォームが「神スイング」として話題となり、巨人戦のイベントに出演した際、原辰徳監督をして「非の打ち所がないですね」と言わしめた。ピッチングでも時速105キロのボールを投げ、目標であった「日本プロ野球全12球団の始球式に出ること」を2017年に達成した、生粋の野球女子である。

そんな我々野球人のアイドル・亜美チャンが、すわ! ゴルフに転向!? でも、野球をやっているヒトはたいがいゴルフも好きなので、これは「転向」というよりは、仕事の幅を広げるための「延長」とも解釈できる。まあ、それなら良し! 何様って感じだが……(笑)。あと、私はゴルフは一切やりません!

草野球のチームに所属している男が、試合に奥さんやらカノジョやら秘かに狙っている女子、もしくは「チーム内のメンバーの誰かを紹介してあげよう」と奇特にカレシのいない女子友だちやらを連れてくるのは、わりとありがちな“よく見かける光景”である。

そして仮に、そこでその「連れてきた女子」が、当たり前のように「ゲッツー」だとか「インフィールドフライ」だとかの専門用語を口にしたら、彼女の評価はウナギのぼり状態で、(100点満点で)20点はアップする。スコアブックまでつけることができたりしたら30点アップ……稲村亜美レベルに(選手として)れっきとした戦力になってしまった日にゃあ……もう50点、いや100点アップ! つまり、(あくまで草野球界内だけで…だが)もとが0点じゃないかぎり満点を超えてしまうほどの高評価を得てしまうのだ。

先にも申したとおり、野球に興味のない層にとってはどうだっていい "特技" でしかない。ただし、なんだかんだ言って、日本の野球人口っていうのは、今でもけっこうな数を、とくに比較的経済的余裕がある年輩層を中心にキープしており、女性タレントとしても一般女性としてもここをピンポイントで狙うのは、けっこう堅実な戦略なのではなかろうか?

そもそも野球とは、とてもルールが複雑なスポーツであり、だからこそ「ちょっとかじっただけ」でも十分に" イマドキのヤング女子"との差別化を計ることができる──結局、なにが主張したいのかと申せば、ウチのチームに入団してくんないかなぁ…稲村亜美、ウチのチームにももっと女子が応援に来てくれたらなぁ……ってことなのであった。

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