雑菌が繁殖しやすく、臭くなりがちな台ふきんを、まだ使っていますか? ドイツや北欧、フランスでは、「これ」を使うのが当たり前。100%天然素材で土に帰り、雑菌が繁殖しにくいといういいことづくめのセルロースクロス。可愛いデザインが続々登場で、日本のキッチンが変わりそうな予感! いまひとつ使い方がよくわからないという方のために、使いこなし術をお送りします。
■まだ台ふきんを使ってるの?
ドイツや北欧ではこれが定番!のセルロースクロス。スポンジワイプという商品名でも売られています。
セルロースは、木の端材から採れる繊維で、吸水力はタオルの約4倍、乾きの早さはタオルより5倍も早い素材です。私が以前フランスに滞在していた時、どの家にも布製の台ふきんがないので行く先々で聞いたところ、「布を使ったら臭くなるし、扱いにくくて非合理的」との答え。水回りはセルロースがベストというのは、北欧、ドイツ、フランスの常識のようです。
このセルロースクロス、日本でも最近取り扱いが増え、愛用する人も増えてきました。とはいえ、まだ馴染みの少ない素材なので、戸惑うこともいくつか。日本向けの使い方のコツを、考えてみましたよ!
■反り返るのは「完全に乾いた」シグナル
セルロースは湿らせて使うのが基本。水でぎゅっと絞ってからテーブルなどを拭きます。乾いた状態では吸水しないので注意してください。そして、乾くと写真のように反り返ります。畳まれた台ふきんの定位置に置こうとすると、こうして反り返るために、扱いにくいと感じる人もいるようです。
乾くと反り返ってしまいますが、これは完全に乾いたという証拠!
ただ、この反り返りはクロスが完全に乾いているという証拠で、喜ぶべきこと。布と違い、すすぎや絞りが片手でできるのも大きなメリットです。左手で鍋を持ったまま、右手でクロスを濡らしてぎゅっと片手で絞れます。布より汚れ落ちもよく、洗うのも簡単! 乾きやすいように、使ったら畳まずに広げて、シンクのフチや、蛇口にかけておくという人が多いようです。
■最初はハーフサイズがおすすめ
まずは半分に切って使ってみて! 台ふきんと同じ感覚で使えます。
布の台ふきんの扱いに慣れている日本人に私がおすすめしたいのが、ハーフサイズふきん。市販のセルロースクロスを写真のように半分に切り、折畳みます。ちょうど片手に収まるサイズとなり、乾いても広がらずにカウンターでの収納場所を取りません。
吸水力がよいので半分のサイズでも十分にテーブルをきれいにしてくれるし、片手でパタパタと面を変えて4面使えます。乾いて広がるので、どこに置けばいいのかわからないという人は、まずはこのサイズから試してみて!
ただ、一枚柄の素敵なデザインのものは切ってしまうのがちょっと悲しいですよね。写真のようなパターン柄や無地のもので試してみてくださいね。
■1/4サイズのコースターを食卓の定番に
1/4に切れば、小さなふきんがわりになるコースターに早変わり
さらに、1/4サイズに切って湿らせたものはコースターとして使えます。水滴が落ちやすいコップや、テーブルに跡がつきがちな茶碗などの下に置いて使いましょう。食事やお茶が終わったら、さっとこのコースターで自分のテーブル周りを拭いておしまい。家族にも習慣にしてもらったら、最後の後片付けがグンと楽になりますね。
お客様にお茶やお菓子を出したときも、わざわざキッチンから台ふきんも持ってこなくても、片付けのついでにテーブルが拭けて便利です。
最初からこのサイズに切れるようにデザインされているものもあります。みつけたら即買い! マストです。
■子どもやお年寄りのランチョンマット代わりに
目からうろこのランチョンマット。こぼしてもよごしてもドンと来い!
セルロースクロスにはL判も販売されています。キッチンの水切りマットとして使っている方が多いようですが、実はこれ、ランチョンマットにするととても具合がよいのです。
湿らせてよく絞った状態で食器を上に乗せると、すべり止めとなって、子どもや介助の必要なお年寄りには、食器の扱いがグンとラクに。さらに、お茶やスープをこぼしてもセルロースがしっかり吸水してくれるので、あわてて床を拭きに走る手間もなし。汚れ落ちがとてもいいので、どんなに汚れても、最後はさっと水洗いすれば元に戻ります。
セルロースクロスは、デザインがとても素敵なものがいっぱいなので、食卓もぱっと華やかに。機能性だけではなく、美しさも兼ね備えているのが、とてもいいなあと思っています。
■押さえておきたい、セルロースクロスの選び方
セルロースをコットンで補強している商品を選ぶのがコツ。ムーミン柄のこちらは北欧デザインのドイツ製です。
スーパーやホームセンターでは、まだあまり定番として扱われていないセルロース。ネットショップや雑貨店で購入される人が多いことと思います。この際、素材がセルロースならどれを買っても同じ? と思われるかもしれませんが、実際には注意すべき点がいくつか。
まず、選ぶ際にはセルロース100%ではなく、セルロースとコットンを混ぜて作られているものを選ぶこと。セルロース100%の製品は、完全に乾くとすぐ割れてしまうため、北欧やドイツ製のものはコットンで強度を補強しています。原材料の表示をよく確かめましょう。
最近ではIKEAでの扱いも始まりました。ただし、私の経験では上記のようなものに比べると、吸水力が少めで、摩耗が早く寿命が短いので、長く使いたい場合にはあまりおすすめできません。お値段が手頃なので、まずは入門編や掃除用として試してみて!
セルロースはクロスだけではなくスポンジもあり、こちらも100%土に還るエコ素材です。ただし、「抗菌処理」がされているものは抗菌成分が溶け出すだめ、水槽の清掃などに使うと魚が死んでしまうなどの報告も。購入の際には、十分注意して選んでくださいね!
■ちょっとしたプレゼントにして、みんなにもお裾分け
プレゼントにもらったらちょっとうれしい。ほかにも北欧の有名デザイナーの柄が楽しい。
ドイツや北欧では、ホームパーティの手みやげにセルロースクロスを持参するという習慣もあるのだとか。どの家でも使っている消耗品なので、何あっても助かるのだそうです。
北欧はデザインにもとても感度の高い国。毎日使うクロスに、一流のデザイナーのイラストやデザインが惜しげなく使われているものが多数。使ってみていいな! と思ったら、手みやげやプレゼントにして、お友だちにもお裾分けしてみては?
「台ふきんが臭う」。だから「頑張っていつもきれいに洗う」「漂白する、煮沸する」。でも、素材を変えるだけで簡単に解決して、しかも素敵なデザインでキッチンが明るくなるなら、取り入れない手はないように思います。ぜひ試してみてくださいね!
以下のサイトで扱われている商品は、セルロースとコットンを塩を媒介にして、添加物を加えず作られているので、埋めると2週間で土に還ります。リサ・ラーソンのねこ柄も発見。デザインを見てるだけでも楽しいですね。
■ 北欧デザイングッズを数多く扱っているecomfortのネットショップ
(執筆:ももせ いづみ)
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