動物のなかには、忍者のように周りの環境にまぎれて、自分の存在を隠す能力を持つ動物がいることを知っていますか？ 代表的な例として「カメレオン」をご存知の方は多いかもしれません。彼らは体色を変化させることで、天敵から身を守るカモフラージュ作戦を成功させています。
カメレオンのように体色を変化させることはできませんが、実は地球上には、カモフラージュが得意な大型のネコ科動物がいます。それは、白く長い毛と立派な尻尾をもつ「ユキヒョウ」です。
「ユキヒョウ」という名を持つだけあって、雪山に棲んでいるので、白地に黒の斑点という模様を持っており、雪山でのカモフラージュ効果があると考えられています。しかしこの模様、雪山だけでなく岩場でもしっかりとカモフラージュすることに役立っているのです！
こちらの写真、どこにユキヒョウが潜んでいるかわかりますか？
この写真は、インドのラダックという地方で撮影されたものです。ユキヒョウはこのような岩場に居る草食動物を獲物として捕らえ、生活をしています。そのため、雪山だけでなく岩場でもカモフラージュをして、獲物に見つからないように狩りをおこなっているのです。
現在、ユキヒョウは中国からカザフスタンまでという広い地域に、およそ5,000頭が生息していると言われています。しかし、その数はおよそ阪神甲子園球場のアルプス片側席を埋める程度。高山に生息しているため、「孤高の王者」とも呼ばれ、その姿を目撃することは大変困難であるとも言われています。
上の写真を撮影したインドのラダック地方は、ユキヒョウを直接観察できるめずらしい地域です。しかし現在、温暖化による影響で、彼らの生息地の減少が危ぶまれている状況です。
さて、先ほどの写真からユキヒョウを見つけることができましたか？
答えは、こちら。
見事なカモフラージュですね。一見したところだと、なかなか見つけられなかったのではないでしょうか？
