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ワラ、藁、w……文章でよく出てくる「(笑)」の遍歴が面白い

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こんにちは、@yellow_bucketsです。チャットやメールをする時に文末に、自分が笑っていることを示すために「(笑)」などを使う人は多いかと思います。僕自身もブログでは「w」中心ですが、「w」で落ち着くまでに、色々な「(笑)」を使っていました。今回はこの「(笑)」について、少し振り返ってみたいと思います。

■(笑)のはじまり

まずは、「(笑)」の起源から探ってみたいと思います。早速、Wikipediaをのぞいてみました。

『「(笑)」という表現は、古く第二次世界大戦前から用いられる。元々、議会や法廷における速記録で、発言の状況を描写する際に用いられたものと考えられるが、現在のところ理由を示す書籍や証言は得られていない。帝国議会の議事録にも、「(「謹聽々々」と呼ぶ者あり)」「(拍手)」「(笑聲)」など、様々な議場の様子を描写する記述が見られる。

その後、文芸誌の座談会記事やインタビュー記事で、「(一同笑う)」「(一同うなずく)」など、同席者や発言者の様子や仕草を説明する際に使われた。さらに、座談やインタビューでない一般の文章でも、主としてサブカルチャー系雑誌で文末に書くモノローグ的な用法が見られた。

また、戯曲や放送台本でも「ここで笑い声を」といった指定をするための「ト書き」として使われた。』

僕はてっきり、インターネットが普及してからできたとばっかり思っていましたが、どうやら違ったみたいですね。昭和時代から用いられていたなんて知りませんでした。

ちなみに、Wikipediaに書かれている「ト書き」というのは、こんな風に使われているものみたいです。

・大正11年 芥川龍之介 「三つの宝」より

『主人:当り前さ、わたしも魔法を知っていれば、お前さんなどに任せて置きはしない。(一同笑い出す)

 王女:(笑い出す)それはそのはずですわ。そんな古いマントルを着ていらっしゃれば下男か何かと思われますもの。

 王 :(嘲笑う)生意気な! わたしのマントルの力を見るが好い。』

■徐々に変化していった「(笑)」たち

ここからは、色々調べた結果と、僕の記憶を頼りに「(笑)」について振り返っていきたいと思います。

・笑

こちらは、単純に()が抜けたパターンですね。おそらく誰しもが通る最初の変形パターンなのではないでしょうか? 僕も(笑)から始まりましたが、一番最初に変形したパターンとして使った記憶があります。おそらくこの前に、「)」だけを省いた「(笑」というのを通った人もいるかと思います。

こいつには、1点大きな問題点がありまして、変換するのがとっても面倒だということですね。“わら”と打っても出てきませんから……。送り仮名の“い”を消す必要がありましたよね。それが、この(笑)遍歴のきっかけになったのではないかと思います。

・わら

こちらは上にも書きましたが、“笑”を変換して消したりするのが面倒くさかったことから誕生したと思われます。僕はなんだか違和感を持っていましたので、意地でも使いませんでした。これは未だにちょこちょこ見ますね。現に、友達とチャットしてるとたまに見かけます。

・ワラ・ワラ

こちらは上の“わら”だと、平仮名のため、どこまでが文末か見分けが付きにくかったことから誕生したと思われます。大体の文章は、カタカナで終わることなんてそうそうないでしょうしね。ちなみに僕は、全角だと2文字分のスペースを使ってしまうので、半角のワラ派でした。

・藁

こちらは、“わら”を単純に変換して最初の方に出てくるもの。ご存知だとは思いますが、正しくは「稲・小麦等、イネ科植物の茎のみを乾燥させた物」で使う時の漢字です。ですが、やはり面倒くさいという理由から誕生したものだと思います。

・w

恐らく今はこれが一番主流なのではないでしょうか? こちらは、今までの誕生の仕方と少し違っていて、海外のオンラインゲームから誕生したそうです。当時は当然ながら、日本語を入力することができず、(warai) → (w → w、と変化していったそうです。

■最近の(笑)

(笑)は、「w」が普及したことにより役目を終えたかのように思われたのですが、近年、(笑)は嘲笑を表現する新しい用法があるそうです。

未だに(笑)を使っている人は、相手に「侮辱された」という意味合いで受け取られて誤解を招く前に、他のパターンに徐々に移行することをお勧めします。

■次世代の「(笑)」

ここでは、日々進化するネットでの「(笑)」を紹介したいと思います。

・(爆)

まぁ言われなくとも予想はつくと思いますが、こちらは、「爆笑」ってことなんでしょうね。ちなみに、(爆)のもう一段上のの表現で(核爆)、あるいは (木亥火暴)というのも存在するそうです。

・草生える

こちらは先ほど紹介しました、「w」のwが草に見えることから、誕生した表現らしいです。どうやら2012年頃から使われ始めているらしいのですが、僕は未だ使っている人に出会ったことがありません。

・草不可避

こちらは、単純に解釈しようとすると「草から逃げられない」ということになると思います。「草」というのは「w」のこと。つまり、「笑わずにはいられない」ということだそうです。こんなの誰が考えるのでしょうね。

■まとめ

僕の記憶とともに今回は長々と書きましたが、結構「(笑)」の種類があることに驚きました。「草生える」や「草不可避」に関しては、もはや普通に(笑)って打った方が早い気もしますけどね。時代の変化とは恐ろしいものです……。

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