今回は、人から話を聞き出すコツを紹介したいと思います。これは、対面はもとより、リモートによるパソコンの画面越しでも有効ですので、ぜひとも参考にしてください。
以前、ボディランゲージとしていくつか挙げましたが、頻度の多いものをもう一度取り上げておきます。
鼻を触る ⇒ ウソをついている。
アゴを触る ⇒ 考えている、迷っている。
髪や体を触る ⇒ ストレスがある。
拳をギュッと握っている ⇒ 不快感の表れ。
両手の指を絡ませている ⇒ 警戒している。
これらのボディランゲージで、相手の気持ちをわかりやすくなりますが、まだまだ足りません。人から話(気持ち)を聞き出すには、コツ、やり方があります。
基本となるのは、まず、「思い出せば答えられる質問」から始めることです。質問には、「思い出せば答えられる質問」と「考えなければ答えられない質問」があります。
矢継ぎ早に質問を投げかけるのではなく、「間をつくる」ことも意識して、質問をきっかけに、連想ゲームのように話したいことを思い出させるようにすることが大切です。
そして、聞きたいことについて時系列を辿っていくのです。
記憶は、時系列の沿って思い出していくと甦りやすいという特性があります。逆に、時系列を逆行するように思い出そうとすると甦りにくい。これは、全人類に共通といわれています。
重要なポイントは、「振り返る」のではなく、「舞い戻る」こと。過去を「振り返る」と、あまり具体的なことが出てきません。しかし、過去のあるポイントに「舞い戻る」と、たくさんのことがありありと思い出されるようになります。
時系列を辿りながら話を聞いていくと、相手の体験を共有するような感じになり、自然と「相手が見ている風景を、肩を並べて一緒に見ているような状態」になっていきます。その結果、相手は話し込むにつれて警戒心が薄れていき、どんどん話してくれます。
これは、いわゆる「取り調べ」で行われる手法であり、時系列を辿ることがいかに効果的かがわかります。コツは「どこに舞い戻るか」という起点を明示することといわれています。
この時系列を辿る手法は、「ニーズ、要望、課題」などを聞く時も効果的です。ニーズ、要望、課題などを聞きたければ、まず「これまでの状況」を聞いて、相手との現状認識を共有してから聞くようにすることです。
簡単に舞い戻る魔法の質問は、以下の4つ。「きっかけは?」「いつ頃から?」「長いんですか?」「ずっと○○なんですか?」です。また、時系列を辿りにくい(現在進行形)場合は、「たとえば?」「具体的に言うと?」「どんなところが(に)?」などを使うといいでしょう。
「振り返る」のではなく「舞い戻る」。やってみてください。