例えば、映画「ロッキー」を観て感動したとします。興奮もしました。「オレも生ぬるい毎日を生きていてはダメだ。夢を持って頑張ろう!」と刺激されました。
しかし、それもせいぜい2、3日で、1週間もすればすっかり元の自分に戻ってしまいます。
例えば、「金持ち父さん貧乏父さん」を読んで目から鱗(ウロコ)が落ち、「よし、これならできそうだ! オレも金持ちになるぞ!」と決心するとします。しかし、数日経って気付けば、お金のことなんかすっかり忘れて、いつものように惰性で生きている自分がいます。
一方で、「ロッキー」を観て感動し、ボクシングを始めてチャンピオンになった人もいますし、「金持ち父さん」を読んで、その教えを実践して莫大な財産を築いた人もいるでしょう。
このように、興奮が2、3日しか続かない人と、そのモチベーションをずっと燃やし続けられる人との差は、いったいどこにあるのでしょうか?
感情というものは、放っておいても持続するものだと思い込んでいる人が多いと思いますが、実はそうではありません。たとえば、朝の通勤電車の中で嫌なことがあっても、午後になればすっかり忘れてしまいます。どんな不愉快な気分も、一週間も引きずることなどまずないでしょう。
では、感情を定着させるためには、どうしたらいいか、ですが、それは "行動" に変えることです。誰かの電話番号を聞いたら、忘れないために、メモを取ったり、携帯のメモリーに登録しますよね。これが "行動" です。
感情は、受動的な体験です。しかし、"行動" は能動的な体験です。放っておけば消えてしまう感情を "行動" に変えることによって定着できるのは、受動的な体験を、能動的な体験にシフトしたからなのです。
ある人に感謝の気持ちを感じたとします。「ありがたいなあ」と感じます。それはあくまでも "感じさせられた" という受動的な感謝に過ぎないので、数日もすれば消えてしまいます。しかし、プレゼントを贈るという能動的な行動に変えることで、感情を心に定着させることができ、感謝の気持ちを燃やし続けることができるのです。
お客様の会ったその日に、感謝のハガキを書いて送るとします。メールでも構いません。感謝の気持ちを "ハガキを書く" 、"メールを送る" という能動的な行動に変えることで、感謝の気持ちを心に定着させることができるのです。
感謝の気持ちを、小さなプレゼントで表現してみましょう。「これって、いい言葉だな」と思ったら、すぐに会話の中で使ってみましょう。「あの人はそうしているかな」と懐かしく思い出したら、すぐに電話かメールをしてみましょう。行動に移せば、感情を長続きさせることができます。