ジョン・C・マクスウェルの著書である『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』の中に、次のような話が取り上げられています。
19世紀の後半、2人の権力者がイギリス政府の指導者の地位を巡って争っていました。
ウィリアム・グラッドストンとベンジャミン・ディズレーリ。
グラッドストンは自由党の党首を30年も続け、4度も首相を務めた人物で、ディズレーリは2度の首相を務め、スエズ運河の株式の買収を指導したことで有名でした。
この2人の政治家とそれぞれ別の日に夕食をともにしたある女性が、2人の印象をたずねられると、こう答えました。
「グラットストン氏と同席した後、私は彼こそイギリスで最も頭のいい男性だと思いました。でも、ディズレーリ氏と同席した後では、私は自分こそイギリスで最も頭のいい女性だと思いました」
ディズレーリは人々を惹きつけ、この人についていきたいと思わせる資質を備え、カリスマ性があったと書かれていました。
このことから、コミュニケーションにおいてとても大事なことがわかります。
人(相手)を喜ばせるにはどうしたらいいか、その方法です。考えられることは、以下の3つ。
1. 自分を主張しない
「オレが」「オレが」というのもリーダ―として必要でしょう。
グラッドストン氏はそういうタイプだったのかもしれません。
しかしながら、相手を喜ばすためには「オレが」「オレが」ではなく、相手を "主役" にしなければなりません。
自分を主張するのではなく、相手に主張させるのです。
2. 相手の話を聞く
当たり前のことですが、人に話を聞いてもらえれば、心が癒されます。
しかし、人はなかなか人の話を聞こうとしません。
人の話を聞くために重要なのは「傾聴」です。口を挟まず、黙って話を聞きます。
とくにひとつのストーリーが終わるまでは、自分の意見を言わず、口を挟まないでください。
「この人は話を聞いてくれる」と相手に思わせると、信頼感も増します。
3. 相手を褒める
褒められて嬉しくない人はいません。
しかしながら、面と向かって褒めることほど、難しいことはないですよね。
そこで、重要なのは褒め方です。
たとえば、相手が正しいこと、間違っていないことを強調してあげることです。
「あなた(君)が言った通りだったね」などがとても有効です。
言ったことが本当になろうが、ならなかっただろうが、関係ありません。
とにかく、相手を褒めることができればいいのです。
相手を喜ばせる方法。この3つを極めていけば、あなたはリーダーにも、カリスマにもなれます。ぜひとも実践してみてください。