このコロナ禍だからこそ、あえていろいろなことにチャレンジしてもらいたいという願いを込めて、今回は「挑戦」にスポットを当てたいと思います。
「挑戦」という言葉に関連して、紹介したい野球選手が2人います。1人はジャッキー・ロビンソン、もう1人がジム・アボットです。
ジャッキー・ロビンソンは、アメリカ人ならだれもが知るレジェンドです。
二グロ・リーグからブルックリン・ドジャース(当時)へ入団した黒人初のメジャーリーガーです。
人種のバリア(壁)を破ったロビンソンがいなかったら、日本人メジャーリーガーも生まれていなかったかもしれません。
白人しかいなかったメジャーリーグへ入ろうとしたロビンソンに対し、周囲は猛反対しました。
嫌がらせも含めて何をされるかわからない(命の危険さえあった)ためですが、反対した周囲の人たちに対して、ロビンソンはこう言いました。
「不可能の反対語は可能ではない、挑戦だ」
もう1人のジム・アボットは、先天性右手欠損というハンディキャップを抱えながら、投手として野球を続け、1988年のソウル五輪で金メダルを獲得。
ドラフト1巡目でカリフォルニア・エンゼルス(当時)に指名されました。
プロ1年目から12勝をマークし、通算成績は87勝108敗。ヤンキースに移籍した1993年にノーヒットノーランも達成しました。その試合後に残したのが以下のコメントです。
「不可能は神が決める。しかし人間の意志は不可能を可能にする」
アボットの挑戦は9歳のときでした。「僕はメジャーリーガーになる」と宣言。
ハンディを考えると、普通、父親は反対します。しかし、アボットの父マイクさんは違いました。
「頑張れ! パパはお前のことを100%応援する」と言ったのです。
これを受けて「アボットスイッチ」(グラブを右脇に抱え、投げ終わったら左手にはめて打球等を処理する)を開発。これがアボット少年の「挑戦」でした。
この2つのストーリーから「挑戦」は大それたことのように思われますが、決してそうではありません。
ここでミュンヘン五輪の金メダルを獲得した男子バレーボール・松平康隆監督の例を挙げます。
彼は「創造性のないチームは、世界一になれない」とし、昨日取り組んだこととは違うことに取り組むことを提唱しました。
その結果、今では世界で当たり前なAクイック、Bクイック、一人時間差攻撃などが生まれたのです。
このことから、実は我々は簡単に「挑戦」ができることがわかります。毎日、昨日と違うこと、やったことのないことをするのです。
「初めての道を通る」「飲んだことのないものを飲む」「食べたことのないものを食べる」でいいのです。
すると1年で365回も「挑戦」ができ、メンタルも強くなるのは間違いありません。どうですか?