※画像はイメージです
『文春オンライン』に、お笑いタレントのダンディ坂野(53)のロングインタビューが掲載されており、とても興味深く拝読させていただいた。
今年の4月ごろ、新型コロナウィルスの感染防止対策の一環として、地下鉄の混雑時の利用を避けた時差通勤をすすめる、東京メトロによる「東西線オフピークプロジェクト」のポスターが話題になったのは、記憶に新しい。
ほぼ中央、やや右斜め方向から舐めるようなアングル──静かな表情でカメラに目線を寄越すダンディ坂野がバストアップでドカン。その下には、
ピークを知る男。
……のメインキャッチコピー。さらには(向かって)左側に、
他人とズレてるくらいで、
ちょうどいいと思うよ。
そういう時代になったし。
……とのサブキャッチが躍る、彼を「一発屋タレント」と見なしてのパロディ広告であった。
だが、じつのところ、ダンディが所属する芸能事務所『サンミュージック』内だと、(本人曰く)少し前までCM契約数は断トツのトップであったらしい。「一発屋」だなんて、とんでもない話……ってことである。
そんな抜群の安定感を誇るダンディ坂野は、同記事のインタビュアーも指摘しているが、「ブレイクから15年以上が経っているのに、芸(風)も外見も“現状維持”」を続けている。たしかに……!
ちょっと変な言い方ですが、僕にとっての向上心は「一定を保つこと」なんです。「これくらいでいいや」っていう気持ちでやると、同じ芸でもどんどん質が下がっていくんじゃないかなって。
(中略)
80年代のアイドルに憧れてこの世界に入った身としては、大好きなトシちゃん(田原俊彦)がずっとあのスタイルをキープし、足を上げて歌って踊って輝いているのを見ると、僕も「あのときの『ゲッツ!』の人」というイメージを保たなくちゃと思うんです。
実際、53のおじさんにしては女子力高いなって自分でも思ったりします。首のシワで年齢がわかるって聞いてからは、毎晩美容ジェルを首から顔までしっかり塗って寝ています。(中略)
メイクで(シワを)隠すと逆にシワ間が出るので、目周りのファンデーションはかなり薄目にしてもらって。僕なりのこだわりがいくつかあるんです。
(中略)白髪染めも定期的にしてますし、くせ毛なのでストレートパーマは月1回美容院でお願いして。「薄毛」の「白髪」の「くせ毛」なんで、かなり気を遣ってメンテナンスしないと「現状維持」できないんです。
今年58歳になる私としては、このダンディが切実に主張する「現状維持論」……すご〜くよくわかる! そう!! 我々の年齢になったら、正直「これ以上かっこよく〜」に外見のベクトルを向けるのは、けっこうしんどい……っていうか、ほぼ無理! 「次はロン毛にしてみよっか…」と目論んではみても、いざヤッたら最後、薄毛部分は目立つし、白髪や腰がなくなったくせ毛も、よりいっそうクローズアップされてしまう。結局は、白髪部分の多い側頭部をマメに短く刈って、薄くなりつつある頭頂部はソフトモヒカンにして隠す──できる髪型は一つか二つしかないのだ。自由業者なら、短髪をあえて金髪に染め、肌の色に近くするケースも。ビートたけしや松本人志みたいに……。いずれにせよ、頻繁な美容院通いは必須になってくる。
筋肉だって
こうして「一定を保つ」ために、まだ煩悩が抜けきっていないおじさんたちは、地道な努力を惜しまず、決して馬鹿にならない額の銭を突っ込んでいることを、できれば若い皆さまにも知ってほしい。そして「明日は我が身」だと30代・40代からの“予防”を心がけていただきたい。ダンディさん、公の場で語ってくれてありがとうございますm(_ _)m