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【ガンダムシリーズ】悲劇がすぎる!戦場で儚い命を散らしたヒロインたち

『機動戦士ガンダム』シリーズには魅力的なヒロインが多く登場してきた。だが、なかには残酷な運命に翻弄され、若くして命を散らせていった者も少なくない。今回はそんな“悲劇のヒロイン”をピックアップ。

■ララァ・スン:アムロとシャア、永遠のライバルの因縁を加速させた少女の死

まずは、『機動戦士ガンダム』(1979年)から、主人公アムロ・レイとその宿敵シャア・アズナブルにとって、生涯忘れられない存在となった女性、ララァ・スンだ。

ララァはシャアに見初められ、ジオンのニュータイプ研究機関であるフラナガン機関で育てられたニュータイプの少女である。インド系と思われる浅黒い肌に透き通った緑色の瞳。どこか超然とした態度で詩的な言葉遣いをする存在として登場し、ニュータイプのイメージを視聴者に植えつけた名キャラクターだ。

その類まれな能力をパイロットとして活かし、“ソロモンの亡霊”との異名まで得たララァ。しかし、同じくニュータイプとして目覚めていたアムロとの戦闘において、互いの精神交感によって共鳴したものの、ララァはシャアをかばったことで自機のコックピットをビームサーベルで貫かれてしまう。この死は、アムロとシャアに深い傷を残すことになってしまうのだった……。
 
■フォウ・ムラサメ:人工的にニュータイプに改造され記憶を失った薄幸の美少女

次は、『機動戦士Zガンダム』(1985年)に登場する悲劇の強化人間、フォウ・ムラサメだ。上記のララァの死をリフレインするかのような彼女の死は、悲劇性が際立った本作を、ある種象徴するような出来事として描かれている。

一年戦争後、ジオンのニュータイプ研究に追いつこうとした地球連邦政府は、各地にニュータイプ研究機関を設立させた。その一つである日本のムラサメ研究所で、4番目に作られた強化人間こそがフォウ。フォウという名前は本名ではなく「4番目」という意味である。

人工的な薬物投与に人体実験…非人道的な研究の末に生まれたフォウは本来の記憶を失っており、精神的に脆く儚い存在となった。そして、フォウは主人公のカミーユ・ビダンと出会い恋に落ちる。しかし、敵対する立場がもたらす悲劇の果てに、フォウはカミーユの腕の中で死んでゆくのだった……。

■フレイ・アルスター:戦争が生んだ孤独と差別…復讐に身を滅ぼされたヒロイン

最後は、『機動戦士ガンダムSEED』(2002年)に登場するヒロインの一人、フレイ・アルスターを推したい。ナチュラルとコーディネイターの戦争に幼心を引き裂かれ、心の傷と復讐に追われた悲劇のヒロインとして、同作に厚みを持たせている名キャラクターだ。

大西洋連邦事務次官ジョージ・アルスターの娘として、不自由ない生活をしていたフレイ。もともとコーディネイターに偏見を持っていたが、動乱の最中に目の前で父を失ったことが原因で、コーディネイターとザフト軍に激しい憎悪と復讐心を募らせていく。

目覚ましい戦闘力を持つコーディネイターの主人公キラ・ヤマトと惹かれ合い、互いの傷を舐め合うように体すら重ね、キラを使ってザフト軍への私怨を晴らしていくフレイ。だが、物語終盤ザフトに捕まり、軍務につかされてしまう。復讐心はなりを潜め、実は惹かれ合っていたキラを想いつつ、どこか物悲しく過ごしていたのだが、最終局面において、彼女はキラの目前で敵のビームに貫かれ宇宙に散っていくのだった……。

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