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マクドナルドのハンバーガーは「がん治療の技術」でおいしくなった

安さ・便利さ・おいしさを追求し続けるファストフード業界では、今日も激しい競争が繰り広げられています。そのなかで、進化をやめないのが、ド定番と言えるマクドナルドのハンバーガー。そのおいしさの秘密には「がん治療の技術」が関わっていることを知っていますか?

■がん温熱療法に用いる「高周波加熱機」で肉汁を逃がさない

ハンバーガーに使われる牛肉はオーストラリアやニュージーランド産で、鮮度保持のため-15℃以下の冷凍状態で日本の工場に搬入されます。従来は蒸気による解凍機で表面から解凍していましたが、ドリップ(肉汁)が多く出てしまい旨味が逃げていました。

そこで採用されたのが、がん治療に用いられている技術を応用した「高周波加熱機」です。がん細胞は熱に弱いと言われますが、外から直に加熱する程度では細胞の深くまで届きません。そこで登場したのが高周波治療器による「がん温熱療法」。高周波ならば、表面からではなく内部まで均一に熱を加えることが可能なため、治療に有効な手段として活用されてきました。

マクドナルドは、この技術を牛肉の解凍に応用したのです。内部まで均一に熱を加えることで、表面から解凍をおこなうのに比べて、肉汁の出る量が非常に少なくなりました。おかげで旨みをぎゅっと閉じ込めたおいしいハンバーガーを作れるようになったというわけです。

手軽においしく食べられるマクドナルドのハンバーガーは、厳しい品質管理による輸送と最新技術の意欲的な導入の賜物なのです。多くの人が口にするファストフードだからこそ、この先も、その品質とおいしさが高まることに期待したいですね。

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