最近、東京都内の青山や銀座などに、男性専門のヘアサロンが増えています。この背景には、女性とは異なる男性特有の行動心理が関係しているようです。
■男性専門の美容室のほうが“売り上げが安定する”
男性の整髪への関心は、近年のツーブロックを活用したクラシックなヘアスタイルの再燃でも高まっています。男性に特化したヘアサロンも、“クラシックなバーバー”という打ち出しで展開している店舗も見受けられるようになりました。これに加え、男性専門のヘアサロンが増えた理由がいくつかあります。
テレビ番組『林先生が驚く初耳学!』で街ゆく人におこなった「ここ3年で美容室を変えた回数は?」というアンケートの結果、男性は平均で0.9回、女性は平均で8.2回と、9倍近い差があらわれました。この違いは、心理学的に「ジェンダー理論」の観点で分析することができます。ジェンダーとは男女の性別にまつわる違いなどを捉えるときに、使われる言葉です。
ジェンダー理論の研究によると、男性は「物事を自分で決めたい」という心理的欲求を持つと考えられています。時計やファッションなど、同じメーカーに強いこだわりを持つ傾向にあり、同じようにヘアサロンに関しても行きつけの店に通い続ける――つまりリピーターになりやすいという傾向があるのです。
また、髪型の違いなのか男性のほうが調髪の回数が女性より多く、施術時間も短く回転率も高い傾向にあります。そのため「売り上げが安定する」ということが、男性専用のヘアサロンが増加している要因といえます。
反対に、女性には「他人と一緒でありたい」という心理的欲求がありトレンドの移り変わりにも敏感。ヘアサロンも、洋服を流行に合わせるような感覚で変えていると考えることができます。また、ヘアサロンが配っている初回クーポンなどの“新しい情報”を得たら、それをきっかけにヘアサロンを変えるなどの傾向も見られています。