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Facebookの災害時情報センターを知っていますか?

Facebookは日々進化しており、次々と新機能が追加されています。2014年10月にも、ある機能が追加されており、しかも日本の出来事がきっかけとして開発されたということです。それが「災害時情報センター」です。

■Facebookの友達に向けた生存報告機能

災害時情報センターとは、自然災害が起きたときの「生存報告機能」です。自分が安全であることをインターネット越しに登録し、それを友達が見ることで生存確認をするというもの。携帯電話会社が提供している「災害用伝言板」に近いですが、Facebookの災害時情報センターはより使いやすくなっているようです。

具体的な流れは、次のようになります。自然災害が発生した場所にいると思われるユーザーに対し、Facebookから「友達に安否を知らせましょう」という通知がきます。「自分の無事を報告」というボタンをクリック/タップすると、友達に「○○さんは無事だったことが確認されています」という通知を届けます。たったこれだけの操作で、友達に生存報告ができるのです。

災害情報センター

ユーザーが災害場所にいるかどうかは、プロフィールに登録した住所、スマートフォンのGPS、インターネットでアクセスしている場所から判断されます。事前設定などは必要なく、該当する全ユーザーに通知されます。また、無事の報告は友達だけが見ることができます。

■きっかけは東日本大震災

この機能は、2011年の東日本大震災をきっかけとして開発されたと、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは述べます。また2014年にこの機能がスタートしたときには、ザッカーバーグ氏本人が日本で発表をおこないました。アメリカ以外の国で新機能を発表したのは、これが初めてです。

実はFacebookは、2012年から日本で「災害用伝言板」の運用を試験しており、それをベースとして災害時情報センターが開発されました。この機能は全世界で利用できるので、日本から生まれたグローバル機能といえます。

■海外の地震で2回実施されている

災害時情報センターが提供されてから1年以上たち、現在までに2回実施されています。2015年4月にネパールで発生したマグニチュード(M)7.8の地震、同年9月にチリで発生したM8.3の地震で、災害時情報センター(海外での名称は「safety check」)が実施されました。

日本ではまだ実施されていません。同年9月に鬼怒川の氾濫などが起きた関東・東北豪雨では実施されてもよさそうですが、国レベルの災害かどうかが基準になっているのかもしれません(実施の基準は公開されていません)。

めったに使わない機能であり、使う機会がないことを願うばかりなのですが、自然はときに残酷で容赦をしません。こういった機能があるということを、頭の片隅に置いておきましょう。

<11月17日追記>
フランス時間の2015年11月13日に起きたパリ同時多発テロでも災害時情報センターが実施されました。

災害情報センター B

日本語では「災害」という単語が入っていますが、ザッカーバーグCEOはFacebook内のコメントで、今後は自然災害だけでなく人的災害(テロのような大規模事件・事故)が起きたときも実施すると述べています。

災害時情報センターのご案内|Facebookニュースルーム
http://ja.newsroom.fb.com/news/2014/10/safetycheck/

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