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旅行好きのためのFacebook活用術<旅先撮影編>

旅先で見つけた景色やグルメ。その感動を、スマホで美しく伝えたい
夏休み、いかがお過ごしですか? 『旅行好きのためのFacebook活用術<計画編>』でご紹介したように、Facebookページで旅先の素敵な情報を集めたら、いざ現地へ! 到着したら、まず携帯やスマホで写真を撮ってFacebookに即アップ、という人も多いことでしょう。

ご当地グルメや風景……せっかくの旅行ですし、素敵な写真で友達に伝えたいですよね。今回は、旅先のライブ感を伝えるためのお手軽撮影テクニックを、プロカメラマンにうかがってきました。

■まずはカメラ機能をチェック

「一眼レフやコンパクトカメラに比べて、スマホは手軽さが最大の魅力。機能もどんどん良くなっています。まずは自分のスマホの機能を知ることで表現の幅が広がります」と語るのは、カメラマンの湯浅立志さん。広告や雑誌など多方面で活躍し、プライベートではスマホでFacebookを楽しんでいます。

「例えばiPhone4の標準カメラでは、液晶をタッチすることで明るさ(露出)とピントを合わせてくれる。どこを撮りたいのか指定することで的確な写真が撮れます」(湯浅さん、以下同)。なるほど、カメラ任せにせずに、自分の意図を入れるのが大事なんですね。

「最新のアンドロイド系スマホにはシーン設定機能が搭載されていますし、ペットは動物モードなどを活用したほうが動きを追いやすいですよ」。うーん、スマホのカメラの設定ってあまり考えたことなかったかも。出掛ける前に確認しておきたいですね。

■料理写真はタテが基本、光の入れ方にもコツあり

料理を美味しそうに撮るには、タテ向きがおすすめ。すべてを入れ込もうとせずに、ぐっと寄るのがコツ
旅先の大きな楽しみといったらグルメ。「料理はタテ向きに撮影するほうがおいしそうに見えます。撮影場所は屋外でも室内でもかまいませんが、外の明かりと(自然光)と室内の光(電灯など)が混在しないほうがキレイ。室内の明かりに自然光が差し込むと、自然光のところだけ青白くなったりしてしまいます。ストロボ(フラッシュ)は使わないほうが無難ですね」。

今回はグリル料理が自慢の店でハンバーガーを撮影。ビーフや野菜などボリューム満点。「こういうときはフレーム内にお皿一枚すべてを無理に入れようとせず、隅は切る(トリミング)ほうが食材の質感が生きてきます」。確かに、携帯やスマホで写真を見るときにあまりに料理が小さいと“コレなに?”と思うこともあるので、寄って撮ったほうがわかりやすそう。

「ハンバーガーのように具が影になりやすいものは、レフ板がわりに、料理に添えられている白い紙ナプキンで光を反射させて影の部分に当てててあげるのもひとつの方法です」とのこと。これは試してみる価値ありそうです。


撮影協力:BALLY’S Grill&Bar 浜松町店
東京タワーの玄関口、JR浜松町駅近く。増上寺や芝公園散策の腹ごしらえに。
※料理や店内を撮る際はお店の方にひと声かけましょう

■手前にピントを合わせて、後ろをボカすコツ

スマホのカメラで背景をボカすには、被写体に近づいて撮るのが有効だ
料理や花で撮ってみたいのが、背景をボカしたカット。「背景をボカすには、ズーム機能を使うのが効果的なのですが、一眼レフやコンデジと比較すると、スマホのカメラはまだまだズーム機能が良くありません。これを解決するには被写体に『寄る』こと」。

いい写真を撮りたいならば、面倒くさがらずに自分で動いて、被写体に近づきましょう。ピントを合わせたい部分にタッチすれば、背景がうまくボケてくれるはずです。

■記念写真はとにかく明るいところで

「一眼レフやコンデジの場合は、ストロボやレフ板で光を当てて調整するのですが、スマホ単体の場合はとにかく明るい光が入るところで撮りましょう」。状況的に厳しい場合でも、顔だけ影が入ってしまう位置は避けたいものです。また、室内で撮る場合、窓の外の景色と室内の風景を一緒に入れてうまく撮るにはプロでも高度な技術が必要なので、欲張らず割り切ることも大切。

■風景写真をワンランクアップさせるHDR機能

(左)HDRナシ。奥の建物が日差しで白く飛んでしまっている。 (中)HDRアリ)補正が効き、手前も奥もきれいに写っている。 (右)HDRはiPhoneのカメラ機能を立ち上げ、上部に表示される「その他」から設定可能だ
iPhone4のカメラにはHDR(ハイダイナミックレンジ)機能がついています。明るいところと暗いところの差を調整してくれるスグレモノ。つまり、明るくて真っ白になりがちな日なたと、黒くつぶれやすい日陰のバランスを取ってくれるのです。

また、炎天下の撮影では、液晶画面が暗くなってしまって見づらいのが悩みどころ。そんな時は同じ位置でも何枚か撮っておくのがおすすめ。タイミングによってもオートフォーカス機能の働き方が変わってくることがあるためです。「カメラマンが使う言葉で『バラす』といいますが、明るさやピントを変えてバリエーションをつけて多めに撮っておき、あとで選べばいいのです」。液晶をタッチする位置を変えておけば選択肢も広がります。

■細長いものや背の高いものは斜めに、乗りものは離れたところから

例えば、背の高いワインボトル。「ただまっすぐ撮るよりも、カメラを斜めにして対角線上に構図を決める。これだけでもスタイリッシュな印象に変化します」。また、乗りものは引いて(遠くから)撮る。例えば新幹線。ホームでは引き気味にして先頭車両から奧まで入れるほうがカッコイイですね。「飛行機も、ブリッジから機内に入る直前よりも、搭乗ロビーから眺めるくらいの距離のほうがキレイに撮れます。乗る前にいくつか角度を変えて撮るといいですよ」。最近の航空会社はドアが閉まるまで携帯が使えるようになったので、出発直前に“行ってきま~す!”とアップすることも可能。

■カメラアプリを使ってみる

Instagram(インスタグラム)で撮影した写真の例。アプリに備わる効果を使えば、トイカメラで撮ったような味のある写真に仕上げてくれる
写真にいろんな効果をつけたいなら、Instagram(インスタグラム)など、カメラアプリを使ってみましょう。iPhoneやアンドロイド問わず、無料、有料アプリが多彩。何気ない写真でもセピア色やモノクロ効果をつけてみたら味わい深い写真になったり、線をはっきりさせてみると迫力が出たりと想定外の仕上がりに驚かされることも。「標準のカメラアプリで思うような写真が撮れない時は、いくつか試してみるのもおすすめです」。

■撮影のコツ、意外な心構えとは

数多くの撮影テクニックのほか、湯浅さんからのアドバイスは「落ち着いて撮る」こと。確かに、時間が迫っていたり、できたてを食べたいと思うと慌ててしまいがち。そんな時に限ってカメラがすぐに起動しなかったり……。カメラ機能を使い慣れておくことでシャッターチャンスを逃さないのもポイントのようです。また、旅先で居場所を特定されたくない場合はGPSなど現在地情報を使用しないよう設定しておきましょう。

普段何気なく使っているスマホのカメラも、ひと工夫でグッと魅力的な写真が撮れるもの。撮影に慣れてくればFacebookへの投稿も楽しくなりそうです。旅行はもちろん、普段のランチやお出かけにも応用しましょ!


※ 画像はすべてiPhone4での撮影。撮影:湯浅立志
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