両手で握手する光景を目にしたことはありませんか? 目上の方、お世話になった方、社会的地位の高い方、尊敬する方に対して両手を差し出す姿はテレビなどでも見かけますよね。これは、丁寧、謙譲、表敬を込めた気持ちの表れなのでしょう。また、片手では失礼と考え、両手を出す方が多いのかもしれません。
しかし、この“両手で握手”は、欧米の握手の考えと全く異なりますので注意が必要です。家族やごく親しい、近い関係の人にでないと、馴れ馴れしい印象を与えて相手を不快にさせてしまいます。選挙時の政治家や芸能人の握手会などはファンを増やす意味がありますので、 ここでは例外としますが、たとえば仕事上で握手をする場面があり、親交や友情を表したい際は、右手で握手しながら、左手を相手の上腕に添えるのが一般的です。
日本を除く諸外国のビジネスシーンでは、背筋をスッと伸ばして片手の握手こそがスタンダード。ここからお互いの対等な関係が生まれます。この認識がなく、握手のときに深々とお辞儀をしてしまいアイコンタクトを取らないと、相手に不信感や不快感を与えてしまうようです。そして、男性が女性に握手を求めるのもNGです。男性は女性が手を差し出すまで待っていなければなりません。
文化の異なる国の方との握手は、お互いの習慣を尊重し振る舞いたいですね。大切なことは、相手を不快な気持ちにさせない、思いやりの心です。礼儀作法を重んじる日本人としての誇りをお忘れなく。
(執筆:諏内 えみ)
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