KOLという言葉を知っていますか?
KOLとは、Key Opinion Leader(特定の分野において専門的な技術・特性をもったインフルエンサー・スペシャリスト)のことで、新しい生き方・価値観を生み出している人を指します。
SNSを舞台にKOLと呼ばれる人々が活躍するようになった今。KOLのヒミツに迫ったインタビュー動画「シン・チルトーク」が始まりました。
第1弾は、料理のお兄さんで知られるリュウジさん。
「じゃがアリゴ」をはじめ、誰もが知る数多くのバズレシピを開発してきた料理研究家。今回は彼の生い立ちや、素顔に迫りました。
■"自分より料理を好きな人はいない" が料理研究家のはじまり
料理を好きになったのは高校生の頃。料理の魅力にどんどんハマり、普段の生活では作らないようなかなり手の込んだ料理にもチャレンジしていたというリュウジさん。しかし、強すぎる気持ちとこだわりの強さから、次第に周囲の人との想いのギャップを感じるようになったといいます。
「料理好きと話したい、また料理をもっと好きになってもらいたい」と強く思った。この想いが、料理研究家「リュウジ」の原点なのです。
そこから、料理レシピを紹介するブログを開始。当時の読者は月に10数人程度でしたが、SNSへと投稿するようになると、自分のレシピがだんだんとバズるように。そして、料理研究家と名乗るようになります。
そんなリュウジさんの料理研究家としてのこだわりは「こだわりがないこと」。それは「自分にとっての最高の料理は自分にしか生み出せない」という考えが自炊の面白さの1つだと思っているからだといいます。
「人それぞれの味覚が違い、小さなサジ加減は自分にしかわらかない。自分のレシピがたとえ原型のないくらいアレンジされたとしても、その人のきっかけになれたら嬉しい」と語るその価値観は料理研究家としてはかなり特殊なタイプ。
料理研究家の一番の仕事、レシピ開発も一風変わっています。リュウジさんのスタイルは冷蔵庫前の”大喜利”。冷蔵庫に鶏肉ときゅうりがあれば、食材と調理法、そして調味料の掛け算でレシピができる。
「世の中の料理家がアーティストだとするならば、自分はエンジニア」そう語るリュウジさんは、料理を組み合わせや工程で考えている。「食欲よりは好奇心で料理を作る」という他の料理研究家とは異なる価値観が、彼らしい料理のスタイルなのです。
リュウジさんの動画の特徴の1つともいえるのが「悪魔の○○」など、レシピにつける独特な枕詞の数々。「料理家はレシピの紹介はできるが、食べてもらうことはできない。だからこそ、どうやったら作ってもらい、そして成功するのかにこだわるのだ」と語ります。動画は、動機を持ってもらうための工夫が徹底的に追及されています。
しかし、料理に対しての賛否は出てくる。そんな時、自分が必死になって作った作品を人様にオススメするときは自信をもってしないと逆に失礼だろうと考える。だからこそものすごく自信をもって自分の料理をおすすめする。自分の心の底からでた言葉をダイレクトにつけることが彼のポリシーなのです。
■KOLとして心掛けるのは "料理を楽しいな・面白いなと思ってもらうこと"
また、リュウジさんが動画を届けるときにSNS上で気を付けていることがある。その1つがバズったツイートをよく見ること。注意深く見ていると、何十万という反響を得た投稿には必ず仕掛けがあるといいます。
「拡散するっていうところでいうと意外性のある言葉で、他の人にも知らせたいという仕掛けを作ることが大事。また、(きゅっと縦にしまっているよりも)タイムラインの幅をとるように工夫された文のほうが人の目につきやすい。」この「意外性・心地よいワード文の形が大切」だというポイントは、KOL独自の視点と言えるでしょう。
最初は料理レシピ動画を淡々とアップしていたリュウジさんですが、今は更なるこだわりを持っています。それが、自分の「キャラクター」を出すこと。レシピ動画が数多くある中で、より自分のレシピに注目されるにはどうしたらよいか考えた結果、自分が好きなお酒のおつまみとして料理を作ったらよいのではというアイデアが浮かんだといいます。
「YouTubeはエンタメの要素を入れて料理を紹介する」この工夫こそが、エンタメから料理へとユーザーの興味をシフトさせる仕組みの1つなのです。
今の活動のモチベーションは、ゲームをしている感覚で取り組むこと。「仕事やツイートを通してフォロワーがいくら増えていくのかという数字を積み重ねる」こと。そこへ意識を向けることで料理家としてのモチベーションをたもっているといいます。
料理以外にも「自分のモチベーションをどこにもっていくか大切にしている」ことが料理研究家としてあり続けるための秘策です。
「料理は楽しいな面白いなと思ってもらうためにやっている」と語るリュウジさん。今後は、料理に興味のない人たちにも興味を持ってもらうため、積極的にいろいろな媒体と取り組みをしていきたいといいます。
例えばゲーム。「ゲームの宣伝の人たちは100%ゲームに興味があるが、料理と絡めることによって少し料理に興味をもってくれるかもしれない」
他のジャンルの人たちとのコラボで、さらなる影響を生む彼の歩みは、まだまだ止まりません。
このインタビューの模様は下の動画から見ることができます。ぜひチェックしてみてください。